- Good Quality -
今回の2005年は、2002年以来となる涼しいヴィンテージだったようですが、極めて乾燥した2002年と違って欲しい時に雨が降ってくれたことで、前年の2004年に続く偉大な年になったようです。
どことなく海苔の佃煮を思わせる香りが漂いますが、オーストラリアのシラーズらしい豊かさとスパイシーな要素が組み合わさり、加えて柑橘風味や、やや鈍く伸びが無いながらも全体に行き渡る酸が低めのトーンを生み出し、このワイン独自の世界観をそつなく構築しています。
現状では体躯上層と下層にねじれが感じられ、若干一体感に欠ける印象もありますが、2~3日経過させると大きく改善される傾向にあったので(とはいえクオリティそのものに大きな変化はなし)、抜栓時の印象が良くなかった場合は多少時間を与えてやった方が良い結果が得られるかもしれません。
個性はあるものの、全体としては「価格に準じた普通のワイン」といった印象で、世間の高評価の理由がどこにあるかは謎ですが、ボトル差&コンディション差という可能性も決してゼロではないので、とりあえず点数的な評価は気にせずに「オーストラリアのシラーズが好きか否か」で判断する方が無難だと思います。
(2008/10)