- Good Quality -
比較的マイナーな地区から高品質なワインを生み出すことで有名な、グザヴィエ・コペルが1996年に設立したネゴシアンである「プリモ・パラテューム」の「リムー」で、今回の1本は最高のテロワールと高樹齢の葡萄で造られる「セレクション・ミトロジア」となっています。セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン40%、カベルネ・フラン40%、メルロー20%で、年間生産本数は僅か1,740本となっています。
プリモ・パラテュームらしい力強いエネルギー感と密度感があり、さすがは「ミトロジア」と言えるポテンシャルを有しています。風味はまさにカベルネ系といったハーブ主体のもので、ややシンプルに纏まっている傾向にありますが、アタックにソーヴィニヨン、フィニッシュにフランらしさが表れます(未熟な青臭さはなし)。
体躯そのものは柔和な物腰で、多少フラットながらも落ち着きを持った表情となっていますが、タンニンの量がかなり多く主張の強いパワフルな性質なので、現状では全体のバランス感がやや失われている傾向にあります。ポテンシャルはかなり高いものの、各要素が紡ぎ出すことで生まれる一体感はまだ先になりそうなので、可能であれば3~5年程度は様子をみたいところです。とはいえ、今飲んだとしても全容を理解できる状態にはあるので、無理してまで熟成させることはないと思います。一般的な日本の住宅事情を考えると、一体感を得るという理由だけで数年間保管するのはあまり現実的ではないので、生産量の少なさを考えるとやや悩ましい立ち位置にあると言えるかもしれません(飲み頃まで待つと今以上に入手が困難に!?)。
(2008/10)