- Good Quality -
カテゴリーとしては広域の「ACブルゴーニュ」になりますが、このロルミシャルに使用されるのはフィサンにある1.5haの畑のもので、葡萄の樹齢は25年となっています。
個性的でやや変わった表情なのが印象的ですが、そこには既に完成された世界を感じとることができます。それはつまり、テロワールやセパージュがどうというよりも、造り手による「ロルミシャル」というアイデンティティの具現化が成されているとも言えます。
良くも悪くも中庸であり、盛大ではないが格式ある宴が繰り広げられます。目に映る世界は隅々まで行き渡り、主催の女主人は化粧、ドレス、アクセサリーと身だしなみが整い、しっかり客人をもてなしてくれます。翌日になると随所で固さがほぐれ、宴が終わった後のようなゆるやなか時間が漂いますが、その様式故に疲労感や乱れが生じることはありません。
リュット・レゾネということもあってか、どこか田舎の屋敷ような雰囲気が感じられ、普通の人でもそれほど躊躇せず足を踏み入れることができる距離感となっています。ただし、主人による明確な宴の世界が構築されているだけあって、もし飲み手の嗜好に合わなかった場合は、それほど心地よい時間とはならないかもしれません。
ちなみに、このワインの2005年は、ワイナートの「2005年ヴィンテージACブルゴーニュ」で最高評価(85点)を獲得しています。
(2008/10)