- Good Quality -
暑かった作柄を感じさせる葡萄の完熟風味(やや過熟傾向)が素直な魅力として生かされ、濃密な造りの分かりやすい美味しさを持ったモダンなワインとなっています。
猛暑だった2003年らしさは感じられるものの、崩壊してしまうようなダレは一切感じられず、全体的にはかなり奇麗に纏まっている印象を受けます。酸も十分あり、構造を感じる要素もある程度有しているので、比較的幅広い層に楽しんでもらえるロッソ・ディ・モンタルチーノと言えるかもしれません。
使用するグラスによってかなり表情が変化するのも印象的で、ボルドー系の大振りなグラスを使用した場合は陽的な表情にスポットが当たった分かりやすいスタイルになるので、 ニューワールド的な明確なスタイルが好みの場合は嗜好がマッチしそうです。逆にキャンティ系の細身のグラスを使用すると、サンジョヴェーゼらしい酸や硬質感が増すことで完熟風味だけに頼らない質実さが垣間見えるようになるので、イタリアワイン派な人であればこちらのグラスの方が満足できると思います(個人的にはキャンティ系グラスの使用をお薦めします)。
(2008/10)