- Good Quality -
総じてかなり残念な仕立て具合になっている印象で、コアにある本来のピノらしさを打ち消すかのように、表層は極めて鈍い重さを持ち、強い収斂性をはじめとする抽出過多系の雰囲気がこれ見よがしに漂っています。内部にうっすらと瑞々しさや華やかさが垣間みられるものの、全てを根底から覆すかのような渋みとかなり強い苦みがあり、口に含むと乾きの波が押し寄せ広がります。抜栓後に時間を与えることで多少は軽減されますが、本質的に「飲みにくいスタイル」ということもあり、残念ながら一般受けするとは言い難いスタイルになっています。
葡萄や土地の意思とは関係なく、造り手によって一方的に方向性を決められたような世界観なのがかなり残念ですが、質実な姿勢の欠如や鈍重な表情の割には纏まり感があり、ヴィンテージの底力があるのか、決して全否定したくなる程ヒドイわけではありません。飲んでいても楽しくはありませんが、ブルゴーニュの村名で3kレンジという価格帯を考えると、あくまでも「それに準じた内容」になっているとも言えるので、良くも悪くも「価格なり」ということなのかもしれません。
(2008/09)