- Good Quality -
暑かった年のイメージに反し、思った以上にシンプルでスッキリした表情となっています。ボトルコンディションの問題か、はたまた閉じた状態だったのか、抜栓日の印象は終始そっけなく、表層とコアの指向性にややズレがみられ、どことなく必要なピースが欠けた印象もありました。しかし、翌日以降に持ち越すことで綺麗に昇華し、何事も無かったかのように端麗な表情を見せてくれたので(一気に軌道修正が行われたような印象)、このあたりは自然な造りならではのポテンシャルと言えるかもしれません。
キリッとした辛口仕立てではありますが、どことなく貴腐的な風味がみられることもあり、全体像としてニコラ・ジョリーが造る同ヴィンテージの「レ・ヴュー・クロ」に共通する佇まいを感じます。構成要素がシンプルなので多くを求めることはできませんが、根底に質実さが感じられる落ち着いたワインなので、自然な造りを好む人であれば十分な満足感が得られると思います。
(2008/09)