- Good Quality -
ボジョレーを代表するクリュ「モルゴン」の中で、「クロ・ド・リス」と呼ばれる区画を中心として造られたビオワインです。
除草剤無し、補糖無し、天然酵母使用、酸化防止剤無添加、ノンフィルターと、とことんまでこだわり抜いた造りが印象的ですが、そのこだわりが良い側面と悪い側面の両方を生み出す結果になっています。
モルゴンらしい低重心でガッシリした体躯に、キッチリ身の詰まった表情豊かな世界を垣間見せてくれますが、残念ながらSO2無添加による影響が思いのほか強く、ビオ系に散見されることの多い漬物汁的な臭いが終始漂っています(特に抜栓直後はかなりキツイ)。大振りなグラスとスワリングである程度軽減されますが、それでも完全に消え去ることは無く、翌日に持ち越したとしても常に感じられるレベルで居座るので、せっかくの質実な表情を邪魔し、常に足を引っ張っているかのように感じます。
兼ね備えた各要素と世界観そのものはしっかり評価できるので、正直やや残念なところではありますが、それでもこの独特の臭いに耐性がある人であればしっかり美点を享受できると思うので、もし購入を考えている場合は事前にこのワインの性質を十分理解しておくことをお勧めします。
(2008/09)