- Good Quality -
名門「ルイ・ジャド」が手掛ける2007年ヴィンテージのプリムール(ヌーヴォー)ですが、今回は解禁日から9ヶ月近く経過させてからの試飲となります。
思いのほかムッチリとしたスタイルで、一般的なヌーヴォーよりもかなり重めの体躯となっていますが、それよりも「仄かに漂う糖度の高さ」が妙に気になります。「甘い」というのとは少し異なりますが、補糖の加減が影響しているのか、どうも全体的に糖質よりの要素が色濃く残り、全体的にリッチで外向的な表情が基軸となっているので、人の力が色濃くあらわれた「マーケティング主導のワイン(万人受けする分かりやすい造り)」という印象を受けます。とはいえ、それでも破綻のないレベルでしっかり纏められており、月日の経過に負けない安定した酒質を披露してくれているので、このあたりは「さすがルイ・ジャド」と言ったところです。
解禁日に飲もうと思うと高価でなかなか手がでませんが、季節外れの今ではかなりお買い得な価格帯で流通している場合もあるので(恐らく在庫処分価格)、ルイ・ジャドのプリムールに興味がある人や、「ヌーヴォーを熟成させるとどうなるか!?」といったあたりが気になる人にとっては、まさにピッタリのアイテムだと言えます。ヌーヴォーにまつわる「祭」の要素はいっさい楽しめませんが、割り切って飲めばそれなりに楽しめるのは確かです。
(2008/08)