- Good Quality -
現代的な洗練さよりも、どこか田舎的な素朴さを感じるスタイルで(ナチュラルな奔放さ)、やや陰的な傾向にあるものの、ヴィンテージの不利さを感じさせない落ち着いた仕上がりとなっています。
体躯は均等な密度でそつなく纏まり、重量感はないものの適度な堅牢感やコリッとした固さが感じられます。やや収斂した表情も広がるので多少時間を与えた方が良い結果が得られそうですが、仄かな魅力を持った果実や酸が無理なく伝わることや、あくまでも身の丈にあった世界観ということを考えると、今飲んでも十分楽しむことができる状態だと言えます。
全体的には2005年と同じような傾向にあり、ワイン自体は素直に楽しめる良質な世界観になっているものの、あまり手軽とは言いきれない価格が更に上昇傾向にあるので、日々飲むワインとしてはやや微妙な立場に位置していると言えるかもしれません。決して悪くはないので、2005年と同様に価格面さえクリアできれば十分お薦めできる1本だと言えます。
(2008/06)