- Good Quality -
「ズック・ディ・ヴォルペ」のラインは、最高のヴィンテージに優れた葡萄を用いて造られる、ヴォルペ・パシーニの中で最先端のアイテム群となっています。
シンプルにスッキリ纏められているのはソーヴィニヨンと同じで、土着品種の個性は感じられるものの、それほど際立ったものではなく、より一般的に受け入れやすいスタイルで仕上げられています。ややタイトで、陽的な果実要素よりも苦みが勝る傾向にあり、フィニッシュに広がる風味とアルコール感がどことなく日本酒的で、仄かに研がれたような印象を受けます。
抜栓日は表情が硬めでやや取っ付きにくい印象でしたが、翌日に持ち越すと柔らかい果実味が表に出始め、レモンのような黄色系の世界観とともに、その魅力がキッチリ広がってくれます。表情そのものはソーヴィニヨンよりもさらにシンプルで明快な傾向にありますが、時間の経過とともにハッキリ表情に変化したことを考慮すると、実際には思ったよりもポテンシャル系なのかもしれません。
生産本数が1万本とかなり少ないこともあり、価格面や土着品種ベースであることを考えると、一般的には同ラインのソーヴィニヨンや下位ラインのシャルドネの方がお薦めですが、それでも十分納得できるだけのクオリティは発揮してくれるので、他の品種との飲み比べという意味では有用なアイテムだと言えます。
(2008/06)