- Good Quality -
「レルミタ」で有名なプリオラートの雄、「アルバロ・パラシオス」が手掛けるお手軽価格のワインです。セパージュはテンプラニーリョ50%にガルナッチャ50%。
もともとは「エレンシア・レモンド」という名で、彼の両親が1945年にリオハで創業したワイナリーでしたが、2000年に父が亡くなったことをきっかけに、自身が跡を継ぐとともに「パラシオス・レモンド」と改名したようです。
ワイン自体の造りについては、低価格レンジに多くみられる技術指向の強い現代的スタイルで、ある意味カッティングエッジな雰囲気を持っていますが、同種の世界観を持つ他のワインと比較すると、概ね半歩程前進している傾向にあるので、感じられる構成要素以上に「これは十分アリ」だと、思いの外ポジティブな印象を受けます。
素材の持つ要素を極限近くまで抽出している印象があり、気軽に飲める赤系の果実味主体でありながらも、渋みや苦み系の収斂要素からなる細身の骨格が常に引っかかります。3日目まで様子を伺ってみましたが、タンニン系の要素はそのままで、残る体躯が非常に柔らかく腰のない状態に変化していたので、やはり飲み方としては「開けたら気軽にどんどん飲んでいく」というのが適しているかもしれません。
純粋な点数評価はあまり多くを望めませんが、それでも「素直に楽しめる」のは確かで、価格帯やターゲットとする市場にはしっかり適合しているので、現代的な仕上がりの良さを持ったデイリーワインを探している人にとってはちょうど良いアイテムだと言えます。
(2008/04)