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ソーテルヌでは最大の規模を誇るシャトーのひとつで、植樹された区画だけでも84haの広さになります。1981年にカナダ人のハミルトン・ナービイがシャトーを購入後、様々な改革を経てトップシャトーの仲間入りを果たします。セパージュはセミヨン54%、ソーヴィニヨン・ブラン45%、ミュスカデル1%となっており、ソーヴィニヨン・ブランが多くブレンドされるという特徴があります。
さすがにソーテルヌにおけるグレート・ヴィンテージとされる2001年だけあって、非常に豊かなミッドと優れたバランス感が好印象で、今飲んでも良し、それでいて今後10数年以上は軽く成長し続けそうな優れたポテンシャルを兼ね備えています。さすがに世の中の評価も非常に高く、2004年のワインスペクテイターでは「年間第23位」に選ばれています。
エナメル塗料を彷彿とさせる揮発香があり(決してネガティブではない)、それを基軸にして硬質感のあるドライな香水要素が生み出されています。品格ある酸に、濃厚なオレンジ、グレープフルーツ、レモンなど、橙的な柑橘風味が心地よく、その表層からコアまで、持ち得た魅力が遺憾なく伝わります。一体感ある明確な表情を披露するのに抜栓後数日かかる傾向にありますが、当初からすべての要素が確立された世界観&体躯の中に存在し、一貫して凄みを感じる佇まいを見せてくれるので、抜栓直後であってもその精緻さや豊かな表情力をストレートに享受できると思います。
2001年のギローを飲むことで、ソーテルヌの持つ深遠なる力をつぶさに実感できると思うので、貴腐ワイン派な人であれば迷わずチェックすべき1本だと言えます。単純な極甘口系とはひと味違う次元の世界観&複雑さが楽しめるので、特に「ソーテルヌは高い…」と普段敬遠している人にはより一層試して欲しいところです。
(2007/12)