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2002年までは「ノーブル・セミヨン」という名前でしたが、3年ぶりとなる2005年から「ボトリティス・ミセヨン」と改名され、ラベルも一新されています。
若いヴィンテージながら、既に全体的な意思統一が成されたような一体感があり、心地よく素直に楽しめる実直な貴腐ワインだと言えます(2006年はこれまでで最も貴腐菌がついたヴィンテージ)。決してどこかが突出するようなことが無く、マーマレード的な柑橘系の酸と貴腐による濃厚な甘みが既に一体化していることもあり、今飲んでストレートに魅力を享受できる分かりやすさが好印象です。
群を抜くような多様性や複雑さを期待するスタイルではないものの、必要十分な要素がしっかり詰め込まれ、表情の豊かさや華が大いに感じられるので、単純に濃厚で甘いというだけの水準からは一歩抜け出た質実さが感じられます。手頃な価格帯で楽しめるというのもポイントが高く、全体を通じてリファレンス的な要素を感じる安定した世界観を披露してくれるので、極甘口未経験者から愛飲者まで、幅広くお薦めできる1本だと言えます。
(2007/12)