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自社畑の葡萄のみで造られる、熟成期間の長い「グラン・レセルバ」ですが、そのこだわりに反して価格帯は「1k円レンジ」という、消費者に優しい非常にお買い得感あるワインになっています。
抜栓直後からバニラを感じさせる樽風味が広がり(やや大味なアメリカンオーク系?)、オレンジを感じさせる柑橘系の酸が軽快さを生み出していますが、造りは概ねトラディショナルな傾向にあり、熟成による熟れた丸い酒質と相まって、素直に飲める優しい表情なのが印象的です。
概ね各要素は一体化し、身の丈にあった程よい表情が心地よく続くので、軽めのアルコール感(表記は12.5%)も手伝って気軽に飲めます。トラディショナルと言っても頑固系ではなく、非常に気さくな表情で酒質も柔らかく、それでいて現代的な果実のピュアさも兼ね備えているので、古いワインが苦手な人でも思った以上に楽しめると思います。
純粋な「得点評価」が期待できるような系統のワインではないので、一般的な「良いワイン」「美味しいワイン」というのとは少し異なりますが、この価格帯でこれだけの独自性を構築できているのであれば、その存在価値はかなり高いと言え、いわゆる「今時のワイン」に飲み疲れた舌にはちょうどよい心地よさを運んでくれます。
(2007/11)