- Recommended -
90年代中盤のオールド・ヴィンテージですが、生産者やインポーターが良心的なのか、それともカテゴリーがビノ・デ・メサだからなのか、ユーロ高をものともしない非常に有り難い価格になっています。
アルガンサのワインとしては、90年代だとまだかなり若い方に入ると思いますが、まさにその通り「思った以上に生き生きしている」という印象で、古酒らしい枯れた風味をちょっとしたアクセントにしながらも、キュートな果実の美味しさをしっかり打ち出した表情になっています。
思いのほか外向的なのでかなり美味しく飲めてしまいますが、カテゴリを超えるようなポテンシャルだったり、古酒の世界観だったりを存分に楽しめるのではなく、あくまでも「過不足なく纏められた安心できる美味しさ」を楽しむ範疇に位置しているので、コストパフォーマンスが高いと言っても過度の期待は禁物です。とはいえ、難易度が低めな上に古酒特有の「扱いにくさ」も皆無なので(澱もなく酒質もいたって安定してる)、「神経質にならずに気軽に飲める古酒(おまけに安い!)」という、ある意味画期的なポジションを新たに作り出してくれているのかもしれません。
まさに、これから古酒の世界に足を踏み入れようとしている人にとってはピッタリのアイテムだと思います。
(2007/11)