- Good Quality -
2002年という優良ヴィンテージのACブルゴーニュですが、今回の1本はかなりコルクが染みていて、抜栓直後の香りは果実味にホコリっぽさが混じり、味の方はややちぐはぐさがみられたので不安なスタートとなりました。
ボトルに多少の難があったのか、抜栓日はややバラツキがみられたものの、翌日以降に持ち越すことで本来の状態へと回帰する動きが活発化し、最終的にはかなり良質な表情&世界観を披露してくれました。2002年らしい魅力ある纏まった果実味と、軽くリンゴを彷彿とさせる筋の通った酸が交わって、どことなく梅を感じさせるような甘酸っぱい表情を構築してくれます。
どちらかというと滋味や旨味が伝わってくる系譜だと感じますが、表層的な味や各構成要素よりも、その裏側にあるコアの奥底に「存在の力」を感じるので、そういった揺らぐことのない求心力に感嘆させられます。クラスを考えると良く出来たワインだと言えるので、造り手の「ジャック・カシュー」は要注目かもしれません。
(2007/10)