- Good Quality -
名前や売りやすさ等の側面からか、「コシュ・デュリの従兄弟」としてとりあげられることもある「コシュ・ビズアール」のACブルゴーニュです(造り手の拠点はムルソー)。
直前に飲んだ「ベルナール・モローのACブルゴーニュ」とはかなりスタイルが異なるのでやや驚きましたが、「体躯力や解像度はクラス相応ながらも過不足なく奇麗に身が詰まっている」という部分は同じなので、素直に楽しめることは間違いありません。
あまり骨格に力はなく、全体的な力量加減はまさに「ACブルゴーニュ」といった感じですが、体躯の両サイドに優良ヴィンテージらしい質実な果実味と酸がしっかり腰を下ろしているので、ツボを押さえた安心できる内容&世界観が構築されていると言えます。
抜栓日はややミッドがフラットで力が抜けた傾向にありましたが、翌日以降に持ち越すとグッとシェイプが引き締まり中央への求心力が増すので、より一層その質実さが伝わってきます。全体的には表層的な美味しさよりもワインとしての資質により力点が置かれているように感じるので(より上のクラスのワインが飲みたくなるナイス懐具合)、普段からブルゴーニュワインに馴染んでいる人の方がより高い満足度が得られるかもしれません。
このご時世に二千円を切るという超良心的な価格設定になっているので、市場で見かけた時は迷わず購入することをお勧めします。
(2007/10)