- Good Quality -
キノー・ランクロのオーナー「アラン・レイノー」がコート・ド・カスティヨンで手がける新たなワインがこの「シャトー・ド・ローサック」です。セパージュは、メルロ-70%、カベルネ・ソーヴィニヨン15%、カベルネ・フラン15%。平均樹齢は35年、収穫量は35〜42hl/haとなっています。
口当たりは比較的軽快ながらも、複雑性と凝縮性を兼ね備えた現代的かつバランスの取れたスタイルで(十分な密度はあるものの骨格が弱め)、インク、チョコ、革、程よく熟れたスパイス風味などが感じられ、その内側にしっかり熟した明確な果実味が位置しています。まさに、何も考えなくても「美味しい」と認識できる要素を一通り揃えていて、なおかつ抜栓直後から無理なく魅力が開花してくれるので、こちらから歩み寄る必要のない絶妙な距離感が自然に構築されていきます。
難易度の低い非常に有り難いワインですが、その反面、将来性を感じさせるような秘めたるポテンシャルはあまり感じられず、なおかつ「レイノーの力量」がより前面に打ち出されたワインだとも言えるので(テロワール云々、自然が云々、というスタイルではない)、あらかじめその指向性を理解しておくことが、十分な満足感を得るためのひとつのポイントと言えるかもしれません。
もう少し価格が抑えられれば言うことはないので、もし二千円台で手に入るようであれば間違いなく購入をお勧めできます。
(2007/09)