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ローヌらしい「凝縮感」と「スパイシーな風味」が遺憾なく発揮され、甘美な果実味が万人受けするであろう間口の広さを効果的に補完しています。端的に「濃くて甘くてスパイシー」と聞くと、どうしてもイマドキを狙った安易なスタイルかと思いがちですが、実際にはそういった軟弱な態度は皆無なので安心して大丈夫です。決して重たいわけではなく、ダレることすらまったくないので、裏方としての酸と構造力がキッチリ位置を確保複しているのだと思います。
複雑で多様な各要素が狂いのないバランス感覚で位置し、それぞれが主張し過ぎることなく身の丈にあった仕事をしているので、「文句なく飲食物として素直に美味しい(能書不要)」と素直に感じます。RWGでも「旨安ワイン」として高く評価されていますが、多くの人に求められる「旨さ」と「安さ」を兼ね備えた希有なワインだと言えます。
グラスの中で時間をかけ過ぎると、やや苦味が表出する傾向にあったので、程よい分量で小出しにグラスに移し、陽的な甘美さを満遍なく享受できる「楽しい飲み方」を個人的にはお勧めします。
(2007/06)