- Good Quality -
カンパニアという土地にこだわりを持ち、土着品種のみを使用した全22種のワイン&グラッパを世に送り出す巨大ワイナリー「マストロベラルディーノ」が手がける「タウラージ」です。
抜栓直後から熟成香が漂い、エッジにはオレンジ色が見られます。飲み頃を迎えた素直な熟成感が伝わると思いきや、残念ながらボトルコンディションの問題なのか、熱が入ったようなヒネ風味が全体に行き渡っていました。
安定した品位あるタンニン、チョコレートやコーヒー風味、超完熟果実など、独自の世界観が期待できるだけの素質は兼ね備えていますが、微妙な状態のせいで鈍さや緩さ、そして閉塞感が発生しているので、全体的にやや「もったいない」といった印象を受けます。とはいえ、決して飲むに耐えないレベルではないので、単体で飲めば意外と美味しく飲めてしまうかもしれません(堅物的要素が砕け距離感が妙に近い)。
ちなみに今回の1本は、輸入元が「サントリー」、販売元は「ファインズ」となっていますが、サントリーの社名の上に被せてファインズの名前を貼っているだけなので、おそらくサントリー時代のアイテムだと思われます(故に品質云々は…)。ともかく、今回はリスクがやや高いバックヴィンテージだったので、次回は現行ヴィンテージを試してみたいところです。
(2007/05)