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造り手の「ポテル・アヴィロン」とは、ジェラール・ポテルの息子「ニコラ・ポテル」と、ワイン商ミシェル・アヴィロンの息子「ステファン・アヴィロン」が(互いに醸造学校で同級生)、ボジョレーの可能性を追求するために共同で興したネゴシアンです。
伸びやかな酸を基調として、小振りながらも魅力的な果実味が詰まった素直な美味しさが印象的です。全体的にスマートで綺麗に纏まっているので、現代的な表情を持った質実なムーラン・ナ・ヴァンだと言えます。
マルセル・ラピエールのような旨味系とは異なるスタイルなので、同列で比較すると表層的な美味しさが先行しているようでやや気になりますが(どちらかというとアメリカ向けっぽいスタイルかも?)、決してテクニックに溺れたようなあざとさは感じられないので、最終的にはひとつの「選択」だと理解できます。
今回の1本はバックヴィンテージということもあってか、ボトルコンディションの問題が多少感じられる側面があり、抜栓日はやや「何か重要要素が欠落してしまった」ような虚無感が裏で仄かに漂っていましたが、時間が経過すればするほど明確に補完&復元される傾向にあったので、最終的には文句なく楽しめる状態にまで心地よく昇華してくれました(今回の1本は3日目以降がベスト)。そう言う意味では、意外に質実なポテンシャルを兼ね備えているのかもしれません。
(2007/04)