- Good Quality -
パリにあるワインバー「Juveniles」のオーナーであるティム・ジョンストンに提案され、彼のためにステンレスタンクで熟成させたフレッシュなワインを造ったようです(バーとワインの名前になっている「Juveniles」とは「若々しい」という意味)。他のトルブレックのワインとはラベルデザインがかなり異なりますが、新しいデザインになったのは前年の2003年ヴィンテージからとなっています。
セパージュはグルナッシュ60%、ムールヴェードル20%、シラーズ20%。トルブレックらしい濃密な凝縮度は健在で、しっかりしたスパイス要素も感じられる「いつ飲んでも素直に楽しめるスタイル」だと言えます。
表層上は「美味しい」と言える指向性を堅持していますが、恐ろしいほどに角が丸く、体躯を構成する構造体の性質そのものが「軟質」なので(フニャフニャ感が強い)、ワインとしての純粋な酒質を見据えた場合、クオリティやポテンシャルという面においてはやや疑問を感じます。とはいえ、そもそもが「ワインバー用のフレッシュワイン」という位置付けなので、言い方を変えると「トルブレックスタイルが活かされた思惑通りのワイン」とも言えます。
(2007/04)