- Good Quality -
程よくスパイシーで綺麗に纏まった良質なコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュで、コアそのものに凝縮した力があり、加えてこのクラス以上を感じさせる解像力もありますが、近頃になってちらほら見かけるようになった「カザマッタ的スタイル」に準拠しているせいか、どうしても表層に浮遊するチープなラムネ駄菓子的甘味(妙にかったるい)が気になります。
いたって現代的な造りというか、表層のテクニック指向がかなり気になりますが、コアに力を感じるだけに、もっと素直に葡萄と土地に向き合う方向性の方が良いのではないか?とも感じます。とはいえ、同種の他のワインとまったく同じで、抜栓後数日放置することで本質がきっちり露になるので、こういったスタイルを事前に理解していれば十分ポテンシャルを引き出せると思います。
表面上の性質はともかく、純粋な品質についてはいたって良好なので、この独特のスタイルが好みの人であれば、有無を言わさず抜栓直後からグイグイ飲んで楽しめば良いと思いますが、そうでない場合、今抜栓するのであれば数日かけてゆっくり向き合うようにし、それが難しい場合はイヤらしさが抜けるまで数年間寝かせておく方が無難だと思います。
(2007/03)