- Good Quality -
「ボジョレー」という言葉の響きからくるイメージとはまったく別次元のハイクオリティワインを生み出す、自然派ワインの造り手「マルセル・ラピエール」の「ムーラン・ナ・ヴァン(意味は「風車」)」です。
ムーラン・ナ・ヴァンは「ボジョレーの王様」とも呼ばれるクリュで、230〜390mの東向きの緩やかな丘となっています。ボジョレーの中でも重めのボディとバランスの良さがポイントだと言えます。
ドッシリ感ある酸と体躯が印象的で、熟した果実の力も感じますが、やはり整った構造力の方が前面に打ち出されています。エネルギーとポテンシャルは感じられるものの、現状ではやや若さが先行し、どこか発展を妨げるようなリミット感や、脆さを内包した閉塞感が仄かに漂っていたので、兼ね備えた力と指し示す方向のマッチングにやや難がある状態かもしれません。とはいえ、半年程度寝かせるだけでも随分変化しそうな印象があり、今飲んでもそれ相応の美味しさと魅力を感じることもまた事実なので、全体的には十分満足できる内容になっていると思います。
(2007/03)