- Recommended -
たっぷり魅力が詰まった果実味が印象的で、2003年というヴィンテージの影響か、やや現代的な凝縮果実の指向性を感じますが、この豊かな果実味のおかげで体躯に立体感が生まれているので、全体的には非常に良い方向に導いてくれていると思います。
全体を通してキュートで魅力的な甘みが印象的ですが、かといって果実味一辺倒ではなく、しっかりと綺麗に整った酸が常にあり、スパイシーな風味も心地よく漂っているので非常に美味しく楽しめます。
縦方向の振幅が印象的だったヴェルジュレスとは異なり、直進力はないものの立体感があってエネルギーも豊富で、翌日を迎えた時に「位相が反転し急激に収斂性が増す」ということがなく、抜栓日から一貫して魅力的な表情を維持してくれます。
確かに若さから来る固さが奥底に感じられますが、それでも想像以上に「今飲んでもとても美味しい」状態なので、近年の価格高騰という流れを考慮すると安心してお薦めできるボーヌワインだと言えます。
(2007/03)