- Good Quality -
ボトルコンディションの問題も影響しているかもしれませんが、「固有の品種らしさ」がやや希薄傾向にあった「メルロー」「シラーズ」とは異なり、このブレンドワイン「メルロー・シラーズ」は、それぞれの品種の特徴をうまく捉え、よりよく互いを保管しあったようなスタイルになっていました。
凝縮し、大味な表情と濃厚な甘みが先行する傾向にありましたが、シンプルでスッと伸びる綺麗な酸にスパイシーな風味が絡み、全体としては総じてうまくバランスがとれている印象を受けます。
ヒルビレの中では、このブレンドワインがもっとも安定した世界観を披露してくれましたが、純粋なクオリティ自体はどのワインも拮抗しているように感じます。故に、「似たようなワインをわざわざ3種類も作る必要があるのだろうか?(大人の事情以外で)」という思いが脳裏を過るのもまた事実です。
兼ね備えた力量を考えると、高いコストパフォーマンスを発揮してくれていると言えるので、せめて「甘く大味なので飲み飽きる」という方向性の再考or脱却を望むところです(より日本人の味覚に馴染む滋味系スタイルだと有り難い)。
(2007/02)