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「一緒」という意味を持つワイン「リンシエメ」。エリオ・アルターレの主導により、主にバローロエリアの生産者が各々で最良の葡萄をブレンドして造ります。売り上げは若手醸造家の育成等にも当てられ、単なるプレミアムワインという位置にとどまらず、ピエモンテの伝統を守るという確固たる意志が込められています(年間生産本数は千本~程度)。
セパージュは、ネッビオーロ40%、バルベーラ30%、カベルネ・ソーヴィニヨン30%。VDTなので基本的にはノン・ヴィンテージ扱いですが、ロットナンバーから1997年のワインだということがわかります。
約10年経過していることもあり、さすがに熟成感が垣間みれる領域に入りつつありますが、それでも1997年の特徴が色濃く表れているので、ピリッと苦みのあるスパイシーなタンニンが際立ちつつも、しっかりした果実の甘みが感じられます。
各要素が定位置に収まる気配がなく、存在するはずのない安住の地を求め常に揺らいでいるので、バランスの面ではさすがに「やや難あり」といった傾向にありますが(いかにも1997年的スタイル)、ピントが合った瞬間に見せてくれる表情は優美であり、素直に心惹かれる美味しさを発揮してくれるので、潜在的なポテンシャルに関しては十分評価できると思います。
(2007/02)