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世の中の評価も高く、それに加えて高いコストパフォーマンスを誇る「ノーブル・レイト・ハーヴェスト」の2005年ですが、過去のヴィンテージに見られた傾向通り、1~2年の熟成でグッと方向性が纏まり良質な表情を見せ始めます。2005年は独特の酸味が強く(総酸量は11g/lと過去最高)、やや厳格で親近感に欠ける傾向ではありますが、概ね角がとれ始めてきたので、多くストックしている場合はそろそろ飲み始めても良いかもしれません。
半年程前に飲んだ時と比較すると、さすがに本来の魅力が表出し始めている印象ではありますが(軽度のブショネだったのがやや残念…)、そうは言ってもオレンジ、グレープ・フルーツ、レモンといった豊かな柑橘系風味による骨太の酸味がどっしり構えているので、決して気軽にサクサクと飲めるようなスタイルではありません。
甘みは控えめで、なおかつ苦みがやや感じられますが、この強固な酸のおかげで潜在的な寿命はかなり長いと思われます。年々わかりやすいスタイルからの脱却が進んでいるように見受けられますが、いわゆる「進化の過程」にあると思うので、ファンにとってはちょうどよい定点観測アイテムだと言えるかもしれません。
(2006/08、2007/01)