- Good Quality -
1996年から「クオリティ重視」に転向したこともあり、まだそれほどメジャーな造り手ではないかもしれませんが、品質の向上に従い年々評価が高まっているようなので、7種類にもなるシャンボール・ミュジニーのプルミエ・クリュには興味が集まります。
最初に驚いたのがその舌触り。少し発砲感が残っているような雰囲気で、僅かながらもシュワシュワとした微発砲的食感が口に残ります。どうも骨格に力がなく、過疎感が漂う中空化した体躯にややがっかりしますが、ベタな現代的ワインとはかけ離れたスタイルなせいか、不思議と飲み疲れることがありません。特に翌日以降に持ち越すと、奥底に眠っていた滋味がじわじわと滲み出てくるので、じっくり向き合えば向き合うほどに不思議な心地よさが漂います。
村名ワインということもあって解像力は弱めで、表層的な「味」そのものも特に美味しいわけではありませんが、なぜかスルスル飲めてしまう不思議な求心力を持っているので、各々の嗜好によっては十分アリなワインと言えるかもしれません。
(2006/12)