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オーナーは「マルク・ヴァレット」。従来は葡萄を生産者組合に売っていましたが、1992年から自らの手で手掛けるようになりました。
南仏らしくパワフルで凝縮感があり、スパイシーな風味がうまく相まって良質な個性を生み出しています。とはいえ、過去に飲んだ通常のサン・シニアンとは異なり、体躯が中程度で程よい洗練感があるので、想像以上に飲みやすくなっています。単純にパワーだけで押すようなスタイルではないので(安直なインパクト勝負に事を進めていない点が好感を持てる)、スパイシーな風味が苦手でなければ、安定した満足度が得られると思います。
力強さと洗練さの均衡具合がアントニームらしさと言えるかもしれませんが、それでも洗練された部分のみに注視できるほどの高い解像力を誇っている訳ではないので、あまりじっくり向き合いすぎると逆に弱い部分に目がいってしまうかも…。とはいえ、コストパフォーマンスは非常に高いので、日々飲むワインとしては十分合格の域に達していると思います。
(2006/07)