- Good Quality -
ローヌを中心として高品質なワインを生みだす「シャプティエ」がオーストラリアで造るビオディナミワインです。
最初の一口でまず驚かされるのが、その強烈なスパイス風味。甘草的な風味があり、かなり複雑で強烈なハーブ風味が広がるのですが、抜栓直後はあまりにも強すぎるのでやや薬品的にも感じられます。
翌日に持ち越すとしっとり落ち着き、かなり熟れて飲みやすくなりますが、本質的な資質として構造基礎が柔らかく均一で、中心にあって欲しい筋の張りに欠ける印象なので、時間とともにそういった脆さもやや強調される傾向にありました。
オーストラリアらしい凝縮感がありながらも、単に濃ければ良いという安易な方向に流れてないあたり、さすがは「シャプティエが手がけるワイン」といったところです。しかし、その一歩進んだ個性と表現力のおかげで、逆に不足している部分にもスポットが当たってしまっているような印象を受けます。現状の印象はともかく、本質的なポテンシャルはかなり高そうなので、今後の成長と発展という意味では大きく期待が持てる1本だと思います。
(2006/05)