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パッザウェイで造られる葡萄に高品質な貴腐菌が付いたという記録もあり、1968年の時点でその潜在的ポテンシャルがハーディーズによって見出されます。現在ではハーディー・ワイン・カンパニーのチーフ・ワインメーカーである「ペーター・ドーソン」のもとでリースリングによる貴腐ワインが造られています(他にもカベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネが造られている)。
今回のボトルはやや色が濃くなっている印象を受けましたが、スタイル自体は従来のものを継承しており、全体的な一体感が増したことによる「落ち着き」を感じます。甘みは控えめながら、レモン、グレープフルーツといった黄色柑橘系のスッキリした酸が全体をうまく纏めているので、ブレや緩みなどはまったくありません。
キラリと光るものはありますが、派手さはないので単体で飲むとややこぢんまりした印象を受けるかもしれません。しかし、奥底に潜む白桃系の甘みの心地よさや、ドルチェと合わせたときの生き生きした酸の表情など、素直に楽しめる点が多々あるので十分納得できる内容だと言えます。
(2005/01、2005/04、2005/12)