- Very Good Quality -
偉大な白ワインを造ることで有名な「フランチェスコ・ヨスコ・グラヴネル」の「ブレッグ」です。ブレッグのセパージュは、シャルドネ40%、ソーヴィニヨン・ブラン40%、ピノ・グリージョ20%と、基本的には国際品種をベースに土着品種がブレンドされています。
ラディコンと同じフリウリ・ヴェネツィア・ジューリアの白ワインで、共に土着品種をスポットを当て、真の葡萄力を引き出そうとしている点で共通する部分があります。このブレッグは国際品種がベースになっているので、ラディコンが造る「オスラヴィエ」と同じような位置にいるのかもしれません。
まず最初に驚かされるのが色調の濃さ。クリアではあるものの、紅茶かと思うほどの濃い黄金色が非常に印象的です。味の方は、想像していた通り独自の個性が遺憾なく発揮されており、驚異的な果実の凝縮感と己の世界観を貫く姿勢が寸分の狂いなく交差しますが、完成度の高さ故か洗練された精緻さがストレートに伝わってくるので、ラディコンが造るオスラヴィエのような「奔放なナチュラルさ」とは若干異なる印象を受けます。国際品種がベースとなりながらも独自の道を歩む姿は全く同じですが、より社交的で良い意味での都会らしさを感じるので、単純に「我が道を行く」というスタイルではなく、その姿勢がうまく素直な美味しさや体に染み入る訴求力に昇華し始めているように感じます。
飲み頃がかなり先という話も聞いたので、当初は固くて近寄りがたい「頑固親父」のようなイメージを持っていたのですが、実際には拍子抜けする程親近感があり、グラス2杯目ぐらいで素直に開き始めてくれました。その後は安定した魅力を継続して発揮してくれたので、特に難易度が高い印象もなく、いつ飲んでも旨いものは旨いとつぶさに実感できます。圧倒的なポテンシャルが美味しさに昇華するその第一歩目を歩みだした印象もあるので、より一層熟成させてみても面白いと思います。
(2005/12)