- Good Quality -
入手が困難なことから幻のワインとも呼ばれる「ヴァレンティーニ」のワインです。一般的なトレッビアーノ・ダブルッツォには「日常消費ワイン」というイメージがありますが、ヴァレンティーニの造るトレッビアーノは一線を画すものとなっており、世間の評価も非常に高くなっています。
今回の2000年ヴィンテージは、2004年度版のガンベロ・ロッソで最高評価となるトレ・ビッキエーリを獲得していますが、白のトレッビアーノでトレ・ビッキエーリを獲得したのは、2000年ヴィンテージのヴァレンティーニ、2001年ヴィンテージのマシャレッリ、この2本のみとなっています。
通常のトレッビアーノに見られる溌剌とした姿は確かに健在ですが、想像以上に品が良く、かなり丸みを帯びた優しさを兼ね備えているので、イガイガするような要素がまったくなくスルスル飲めてしまいます。なぜか飲んでいて心地よく、人体に近い浸透圧で染み込んでいくようでもあり、良い意味で「水」のような存在感となっています。ただし、圧倒されるような独自の世界観が構築されているそぶりはなく、常にグラスの中でゆらゆらと揺らぐ様が儚さを醸し出しているので、一歩間違えると急落してしまいそうな危うさを感じます。単にハズレボトルだった可能性もありますが、世間の高評価をあまり実感できなかったのが残念なところです。
(2005/12)