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手軽な価格のスペイン古酒ですが、想像以上にしっかりとした世界観を持っていたので素直に驚かされる結果となりました。
熟成によって熟れた枯れ具合が僅かに出始め、ピノ・ノワール的な柔らかさ感じる側面もありますが、それでも兼ね備えたタンニンは力強く、果実の実の詰まり具合も想像以上のものとなっているので、相対的な印象は「まだまだ若々しい力を兼ね備えている」といったものでした。
翌日に持ち越すと、酸の器に果実が綺麗におさまり、甘酸っぱいキャンディーらしさに程よい堅牢感が加わった、素直な美味しさを享受できる一体感が生み出されます。まさに持っていたピースがカチッとハマった感があり、本来持つ資質の良さがヒシヒシと伝わってきます。
今飲んでも十分楽しめ(翌日だとなお良い)、かつ、この安定した酒質が今後十年以上は軽く維持されそうな堅牢さが感じられるので、価格を考えるとお買い得度が非常に高いオールド・ヴィンテージだと思います。圧倒的で存在感のある今時のスタイルではないからこそ、こういった良質でコストパフォーマンスの高い古酒の存在意義は非常に高いと思います。
(2005/11)