- Very Good Quality -
完全主義者の造り手「カパンネッレ」は、1972年にラッファエレ・ロセッティがガイオーレ・イン・キャンティで農家を購入したことから始まり、3年後となる1975年にはファースト・ヴィンテージを世に送り出しました。
「太陽」という意味を持つ「ソラーレ」は、純粋なサンジョヴェーゼ・ワインとなる「カパンネッレ」とは異なり、20%のマルヴァジーア・ネーラをサンジョヴェーゼにブレンドして造られます。もともとはピンキオーリのために造られていたようですが、1996年ヴィンテージから一般市場にも流通されるようになりました。1997年にジェームズ・シャーウッドにワイナリーが売却されたことに加え、このヴィンテージから他のカパンネッレワインと同系統のラベルデザインに変更されているので、間違えないようやや注意が必要です。
マルヴァジーア・ネーラのブレンド効果がハッキリとわかるだけの違いがあり、カパンネッレよりもワインとしての洗練度や完成度が半歩から一歩上だと感じます。サンジョヴェーゼの酸味とヴィンテージ力を感じる果実味、それにどっしりしたタンニンとすべてを懐に収めるだけの構造力が加わり、まさに全体としてのパッケージング力に秀でる内容となっています。
基本的な指向性はあくまでもカパンネッレのスタイルを継承しているので、この世界観の違いはまさに「マルヴァジーア・ネーラの力」だと言えます。力のあるタンニンと構造力が追加されるだけで、一気にサンジョヴェーゼの美点が引き立てられるので(ボルドーらしいスタイルを感じる)、より幅広い層に受け入れられるための「国際的な視野を兼ね備えたカパンネッレ」とも言えます。
スローライフな観点から言えば、サンジョヴェーゼの心眼を追求したようなカパンネッレにこそ価値があるともとれるので、受動的にワインを楽しみたい場合はソラーレを、逆に能動的にワインを楽しみたい場合はカパンネッレを、その時の気分や雰囲気によってセレクトすれば、より高い満足感が得られると思います。
(2005/10)