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「オールド・ヴィンテージ」という意味の名を持つこのワイン、もともとは「キャンティ」として出荷されていましたが、1984年にキャンティがDOCからDOCGへ昇格したことによって規定が変わり、その結果トスカーナVDTとして出荷されるようになりました。
セパージュはキャンティらしく、サンジョヴェーゼ80%、カナイオーロ15%、トレッビアーノ3%、ホワイト・マルヴァージア2%。14年間ものあいだ大樽で熟成が行われ、その後ノンフィルターで瓶詰めされているので、安定した品質の蔵出し古酒でありながらも、どことなく若さを感じるリコンディション系に近い雰囲気となっています。
色は比較的クリアでエッジがやや琥珀がかってはいますが、抜栓直後はやや大人しい印象があり、コアにある丸く艶のある果実味が生き生きした「若さ」を感じるスタイルとなっています。時間とともに古酒らしい熟成感が程よく出てきますが、思いのほかキュートな果実味のおかげで、ダレることなくしっかりとした酒質と表情を維持してくれます。
一般的に想像する「古酒像」とは異なりますが、気軽に向き合える軽快さや古酒の良質な部分を手軽に楽しめる点など、評価できる部分は多々あると思います。コストパフォーマンスにも優れているので、手軽に古酒の世界観を楽しむにはちょうど良いアイテムだと思います。
(2005/09)