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「バルボロンの小さな村」という意味の名が付けられた造り手「ル・アモー・ド・バルボロン」は、1991年に誕生したばかりの新進気鋭のドメーヌで、現当主はラベルに大きく書かれているモレ&ノミネ夫妻となっています。
抜栓直後は、インキーで梅仁丹的風味が前面に打ち出された「まさに今飲むからこそ美味しい」という、かなり端的なスタイルとなっていました。キュートな小梅風味を素直に楽しむわかりやすいスタイルだったので、正直ポテンシャルは期待できないと感じていたのですが、30分程度で開きはじめ、翌日に持ち越す頃には完全に異なる表情へと昇華していたので驚かされました。
時間とともに安定感あるボディとタンニンが表に出始め、さらに香草風味が程よいアクセントとなり、堅牢性の強い構造体に華を添えます。広がりや精緻さを楽しむことはできませんが、程よい密度感と安定持続感が心地よく、ヴォーヌ・ロマネらしい力強さが素直に楽しめます。特出しているわけではありませんが、ヴィンテージから伝わるイメージ以上に魅力を発揮してくれるので、手頃な価格帯で手に入るのであれば、試してみる価値はあると思います。
(2005/08)