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世の中の評価も高く、それに加えて高いコストパフォーマンスを誇る「ノーブル・レイト・ハーヴェスト」の2004年ヴィンテージです。
まだ若いので、飲み頃感や纏まり不足の可能性を考慮しながらの抜栓となりました。コアに力のある酸とアルコール感が際立ち、豊満なボディと凝縮力のある果実味を包み込んでいるので、現状では進むべき方向に定位する前段階といった印象を受けます。サーヴによって表情は異なりますが、基本的には酸がしっかりした印象となっていたので、甘美な表情が前面に出るようになるには、少し時間がかかるのかもしれません。
秘めたるエネルギーはそのままで、年を追うごとに洗練が進んでいる印象となっていますが、逆に言えば天真爛漫的な素の魅力を存分に発揮していたファースト・ヴィンテージとは大きく指向性が変化しています。精緻さや複雑さでは本家ソーテルヌに勝てない面があるのも事実なので、どこを目指して落としどころをもっていくかに注目が集まりますが、圧倒的なコストパフォーマンスの高さは変わらず維持されているので、テロワール力を維持しつつも完成度を高める方向性がうまく機能するとなると、今後も大いに期待できる「財布に優しい」極甘口ワインだと言えます。
(2005/05、2005/08、2005/12)