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80年代からコルナスを拠点としワイン造りを行っている「ジャン・リュック・コロンボ」のフラッグ・シップとも言える単一区画の「ラ・ルーヴェ」です。
ラベルはオーパス・ワンのような雰囲気があり(ややパクリ気味!?)、ボトルもブルゴーニュタイプではなくボルドータイプを使用するなど、見た目からは一般的なローヌ・スタイルとは大きくかけ離れています。
見た目以上に驚かされたのが実際の中身で、想像以上に現代的指向を持ったわかりやすいスタイルとなっています。古樹のシラーで造られていますが、熟した葡萄風味はしっかり存在感を表しているものの南国一辺倒な野暮ったさはなく、あくまでも北ローヌに位置するコルナスらしさをモダンに磨きあげたかのような内容になっていました。
甘い葡萄の風味が確立されているだけあって非常に飲みやすいのですが、やや過熟感のある甘味なのでやや落ち着きに欠ける印象となっています。さらに凝縮感はありますが、角が非常に丸いこともあってやや緩い印象も受けます。ただし、緻密で滑らかなタンニンと熟した果実、そしてそれらを支える仄かな酸味に一体感が感じられるので、表面上の軽いちぐはぐ感とは異なり、意外と安心して楽しめる一面も存在します。
時間とともに果実の完熟風味にスポットが当たる傾向にあったので、極論ではありますがスタイルとしては「早飲みするとより旨い」というスタイルになるのかも…。おそらく寝かせても美味しいとは思いますが、個人的には若いうちに飲みきってしまう方がわかりやすく良い面だけを享受できるのではないかと感じました(やや乱暴すぎる表現かも!?)。
(2005/01)