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シャトー・ペトリュスの元所有者であるマダム・ラコストがオーナーで、1990年からは同じくシャトー・ペトリュスの現所有者であるクリスチャン・ムエックスが経営を担当しています。醸造に関してはシャトー・ペトリュスのジャン・ピエール・ムエックス社によって行われています。
ラ・フルールに使用される葡萄畑はサン・テミリオンの北側にある丘陵地に位置し、粘土質の石灰石、珪土質の粘土層、鉄分質などが混在した独自のテロワールを堅持しています。
抜栓直後は平淡で軽いタッチの酸が漂う印象となっていましたが、数時間かけてゆっくり向き合うことで、熟成によって綺麗に成長した安定感ある表情を見せてくれました。サン・テミリオンということもあってか、1975年というヴィンテージに対する一般的なボルドーワインの印象とは少し異なり、タンニンはすっかり熟れて向き合いやすいスタイルになっています。時間が経過することによって果実味が表に出始め、生きた葡萄の甘味を感じることができます。
立体感やスケールに関しては少し物足りない部分もありますが、エレガントでぶれのない良質な世界観は大いに評価できます。手頃な価格で楽しめるオールド・ヴィンテージだということを考慮すると、お薦め度は比較的高いと思います。
(2004/11)