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樹齢30年のシラー100%で、30hl/haという低収量で造られるスーパー・ヴァン・ド・ペイとなっています。小樽と300リットルの樽(新樽と1年使用の樽で12ヶ月熟成)が使用されていますが、抜栓直後は不必要に抽出されたような樽のタンニンが苦みやエグみを誘発し、全体的なバランスや純粋な印象面を悪化させる傾向にありました。しかし、翌日にもなると過剰に収斂していたタンニンが昇華しはじめ、その陰に隠れていた果実が本来のポテンシャルを見せ始めます。一度各要素がまとまりはじめると、抜栓時にあったネガティブな印象はほぼなくなり、逆にポジティブな方向でそれらを捉えたくなります。シラーらしい果実の表情が想像してたよりも南よりな印象を受けましたが(抜栓直後は逆に北よりな印象)、どことなく良質なローヌのような雰囲気もあり、このワインの持つ本質の力によって素直に楽しむ事ができます。
どのポイントを尊重するかで評価が分かれてきそうな気もしますが、ゆっくり時間をかけて向き合う程に魅力が増す傾向にあるので、焦らずじっくり向き合う事をお薦めします。
(2003/10)