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抜栓直後から、濃厚な化粧、香水、クリームなど、まるでデパートの1階に迷い込んだような独特で個性的な香りが攻め込んできます。この香りにかなり圧倒されてしまったので、当初はなかなか正面から立ち向かう事ができませんでした。しかし、時間とともに落ち着きを見せ始め、徐々に霧が晴れるかのように真の姿が見えてきます。現状ではまだ若いのでヤンチャな部分も多々ありますが、落ち着き始めると良質なキャンティ特有の存在感が広がってきます。
数日経過させる事で余分な香りが削ぎ落とされ、サンジョヴェーゼの酸と果実の甘みがしっかりと手を繋ぎはじめます。方向性は全く異なりますが、独自の個性を貫いている姿を見ると、「我が道を行く」といった印象があった1997年のフォントディのキャンティ・クラッシコを何げに思い出します。新たな方向性を持った良質のキャンティを探している人には特にお薦めで、コストパフォーマンスも高いので安定した満足感が得られると思います。
(2003/10)