- Good Quality -
南イタリアのプーリアで、土着品種のネグロアマーロとフランス品種のカベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドし、ステンレスタンクによる発酵後、フレンチオークのバリックで18ヶ月間熟成、さらに瓶詰後も6ヶ月間熟成されます。ちなみに年間生産本数は1万3000本となっています。
3年連続でトレ・ビッキエーリを獲得していることや、ワイン名の「Nero(日本語で「黒」の意味)」というあたりから、今風の凝縮された甘く濃い系統のワインだと思っていました。しかし、実際にはスッキリ・サッパリした、どこか溌剌さを感じさせられる果実力がベースとなった飲みやすいスタイルになっています。
このワイン、正直いってかなり面白く個性的なスタイルだと思います。時間とともにスタイルは変化していきますが、当初は南的な果実の甘みと(ネグロアマーロ?)、背筋がスッと伸びたサッパリしたフィニッシュ(カベルネ・ソーヴィニヨン?)が、今まで味わったことのないようななんとも言えない味と世界観を披露しグイグイ飲み手を引き込んでいきます。抜栓後1~2時間で完全に開いたのですが、当初は遅れてついてきていた樽要素がしっかり追い付き、凝縮感はあるのに妙にサッパリ感のある南国的果実の甘みが魅力的で、深く考える必要のない「素直な美味しさ」を印象づけられます。ただし、翌日になるとやや丸くなり、全体的なピントが曖昧になる傾向にあったので、もう少しピークを維持する力が欲しい気分です。
特徴的なラベルデザインからして見た目でも楽しめますし、実際の中身も確かに美味しく個性的ではあるのですが、どうしてもコストパフォーマンスに多少問題があるように感じてしまいます。もう少し手頃な価格だと幅広くお薦めできると思うのですが…。
(2003/02)