- Good Quality -
2年ぶりに1990年のカロン・セギュールを飲みましたが、以前試飲した時のような豊満で甘い果実味はすっかり影を潜め、粒胡椒のようなスパイシーで鋭く苦い風味と、古樽の香りに支配された枯れかけのボディが印象的なスタイルに変化していました。「2年でこうも変わってしまうのか!?」と最初は衝撃を受けましたが、実際にはボトルによる固有差が原因なのかもしれません(前回のボトルが当たりだったのか、それとも今回のボトルがハズレだったのか?)。
想像以上に熟成が進み、既に半歩程古酒の領域に入っていましたが、それでも強力で鋭いタンニンは落ち着きを見せることなく延々と主張し続けます。1990年というヴィンテージの力は感じますが、かなりバランスに問題があり、数時間経過後も強い苦みだけが取り残された形となっていました。
ボトル毎の固有差や熟成するまでの過程が、ワインにとっていかに大切な要素であるかを強く痛感させられた1本であり、それこそがまたひとつの楽しみだとも実感させられました。
(2001/05、2003/02)