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抜栓した瞬間に香りが広がり、その力強さや凝縮力の一端を垣間見せてくれます。香りからの印象通り樽の要素がしっかり表れているのですが、それに負けないだけの果実力も同時に持ち合わせているので、非常に高い次元で均整のとれた程よいバランス力を感じます。特に酸と甘みが融合された果実そのもののポテンシャルが凄く、とても「キャンティ」とは思えない内容に仕上がっています。このあたりはさすが「Castello di Brolio」という名を名乗り、グラン・ヴァンたる地位に位置するワインなだけはあるという感じです。
トータル的に見ると美味しいことに変わりはないのですが、ワインそのものが持つ絶対的な説得力に少し欠ける気がするのも確かです。個人的には、ランクや価格に関係なく、98年のトスカーナには同じような印象を受けることが多いので、相対的には同質の問題と言えるかもしれません。ある意味、近年良作が続くことからくる贅沢な悩みとも言えますが…。
ちなみに、このワインは2002年度のガンベロ・ロッソで最高評価のトレ・ビッキエーリを獲得しています。
(2002/11)