- Good Quality -
五大シャトーの1角を担う「シャトー・オー・ブリオン」を所有する、「ドメーヌ・クラレンス・ディロン」の造る白ワインです。よく「シャトー・オー・ブリオン・ブランのセカンド・ラベルである」といった話を聞きますが、実際には所有者が同じなだけで直接的な関係は薄いような気がするのですが、本当のところはどうなのでしょう(現在のプランティエのポジションは、オー・ブリオン・ブラン、ラヴィル・オー・ブリオン、という2つのワインのセカンド・ラベルになっているようです)。ただし、限定生産ではあるものの19世紀には既に商品化されており、「現在クラレンス・ディロンの所有するオー・ブリオン・ブラン、ラヴィル・オー・ブリオンに勝るとも劣らない品質」とうたわれているので、単純に品質を落としたものではないことが推測できます。
気になる味の方ですが、抜栓直後から心地よく力強い樽香が漂い、他の白ワイン達とのスタンスの違いを大きく主張している雰囲気を感じます。季節柄少し低めの温度でスタートしたのですが、やはりこのワインは少し高めの温度ではじめるべきです。温度が上がるにつれて多感な果実の甘味が表に出始め、樽の力に負けないしっかりとした姿を出してくれたのですが、その全貌が開花される前に全て飲みきってしまったのが少し残念なところです。
表情として伺える要素に比べると、全体的な構造力が少し弱く細めなので訴求力に欠ける部分がありますが、基本的指向性は十分理解できたので、今度はより良好で程よく熟成されたヴィンテージのものを試飲してみたいところです。
(2002/08)