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1979年に、6代目ルイ・ラトゥールがローヌ渓谷の西にある「アルデッシュ」にシャルドネを持ち込み、1988年からワイン造りを始めました。南仏で造られるシャルドネの実力を伺うには丁度良いワインだと言えます。
良き白ワインを生み出すことで有名なルイ・ラトゥールとはいえ、価格帯と南仏産ということが頭にあったので、どちらかというと「ヤンチャ」な内容を思い描いていました。しかし粗野な部分は全くなく、洗練された部分を色濃く感じます。キレのある酸の奥に隠れた果実の甘味、そして微かに漂うバニラ的でクリーム感のある風味。ステンレスが用いられるアルデッシュとは違い、このグラン・アルデッシュには木樽が使われているので、より一層深みと複雑味が増しているのではないでしょうか。
各要素が突出しているわけではありませんが、どこか落ち着いて対峙できる「余裕」を感じさせられるので、「誰もがコルトン・シャルルマーニュを飲めるわけではない。広い層の人々に食卓でワインを開けてほしい。楽しく飲まれてこそ生きる、ワインなのだから。」というルイ・ラトゥールからのメッセージが程よく伝わります。
(2002/08)