- Good Quality -
まだ若いせいか抜栓直後は青臭く、さらには軋むようなタンニンが強くてまとまる気配すら見せませんでした。アリアニコという品種から想像するものとは程遠く、実際にはかなりジューシーで細身なボディが印象的でした。が、しかし。数時間経過後に最初の変化が訪れ、翌日にもなると全く別の表情を見せていました。この変貌ぶりは素直に驚きましたが、これこそがアリアニコの葡萄力であり、このワインの潜在能力なのでしょう。さらに3日目にもなると、2日目にみせた開花にバランス感がうまく加わり、パワフルでありながらも素直に美味しく飲めるスタイルに変化していました。まだまだこれからのワインだといえるので現状で判断するのは難しいのですが、時間さえ与えてやれば現状でも十分納得いくポテンシャルを発揮してくれるでしょう。
この葡萄力があれば当分の間は熟成していきそうですが、今と比べて劇的に美味しくなるかどうについては若干疑問も残ります。アリアニコとして考えれば同価格帯でより美味しいワインが存在しますし、個人的にはカンパニアよりもバジリカータのアリアニコに一票を投じたい気分なので若干難しいのも事実ですが(コストパフォーマンス重視)、将来性を加味すればお薦め度は高いかもしれません。
(2002/05)