ボトルやコルクの見た目がしっかりしているので期待が膨らみますが、実際の中身はあからさまに色が薄く、比較的透明度の高い澄んだ赤をしていることに少し驚かされます。奥に眠る芯の部分には好感がもてますが、急速に散乱し失速するフィニッシュや、気の抜けたスパークリングのような風味がすべてを物語っているようで、どうしても「もったいない」という印象が強く残ります。醸造についての詳細は不明ですが、清澄や濾過を強く行い過ぎているのではないでしょうか。根本的な葡萄の旨味が抜けきっている印象が感覚を支配してしまい、良い面を感じる事が難しくなっているように思います。
(2001/12)